ミリタリー

米軍の謎:ディプロイメントって何?

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こんにちは、Japaneryの管理人Yukaです。

ディプロイメントの心得的なブログ記事はいくつか書いた事があるのですが
肝心のディプロイメントとは・・・?について書いた事がなかったので
今回はミリタリーとは切っても切れない存在:ディプロイメントについてのお話です。



1)ディプロイメントとは?

英語でDeployment
意味:(戦線に)配置される

つまり、自衛隊用語でいえば派遣される、という認識です。

海軍の場合、主に所属している船が出航→決められた地域への航海へ行きます。
その他のブランチの場合、様々ですが、例としては
アフガニスタンやイラクなどへの派遣です。

職種によっても派遣される地域が異なってきます。


2)ディプロイメントは危険なのか?

危険です。
軍に入っていて危険でないワケはありません。
派遣される地域やまかされているミッション、職種によって様々ですが
安全なミッションなんてないです。

危険区域とされている中東の一部地域はもちろん危険です。
一方で、割と安全なアジア地域にいても、
船が衝突して海兵さんたちが亡くなった事件もありました。

どんな地域・ミッションであれ、危険が伴うのがミリタリーの宿命です。


3)ディプロイメントの期間は?

それぞれです。
陸軍の人で18ヶ月派遣した人の話も聞いた事があります。

海軍で船勤務の場合、だいたい半年〜8ヶ月程度です。


(注意:といっても、ディプロイメント前は頻繁に出向します。
2週間出航、1週間帰宅。2ヶ月出航、1週間帰宅。3週間出航、5日帰宅・・・
という『ほとんど家にいない』という準備期間を経た後
8ヶ月〜ディプロイされるので、実際はもっともっと長く感じます)


4)ディプロイメントの頻度は?

これもそれぞれです。
5年間で4回ディプロイされた人もいれば
10年間で1回もディプロイされた事のない人もいます。

こればっかりは運としかいいようがありません。

リクルーターによっては『ディプロイメントは5年に1回だ』などと
言う人がいますが、完全なるウソです。
国の命令で動くので、軍人であるリクルーターにそれを決める権限はありません。

運・職種・時期・ユニット・船によります。
命令なので、拒否もできない上に、回数が決まっている、という事もありません。


5)ディプロイメント中、電話は出来るのか?

それぞれです。
海軍で船で航海中の場合、衛星電話ができるようですが、
Enlistedの場合、並ぶ必要があったり、
プリペードカードの金額がかさんだりするのでめったにかかってきませんでした。
寄港は1〜2ヶ月に1回。その時にやっと電話がかかってくる。というスケジュールでした。

東日本大震災の際、私は日本にいました。
船の上司が日本に私が住んでいることを知っていたので、
その時初めて、特別に電話を渡されたそうです。


私の安否を確認するために、船から日本にいた私に電話をかけるよう命令されたようです。

後にも先にも船から電話がかかってきたのはあの1回きりです。

なので、本当に緊急事態のときと寄港中だけ、です。


6)ディプロイメント中、メールは出来るのか?

それぞれです。

海軍で航海中の場合
パソコンを使用する職種であれば、アクセスが頻繁にできるので
私の場合、数日に1回はメールで連絡がきました。

ただ、インターネットに時差があり、一日に何回もメールができるわけではありません。

ただ、危険地帯に突入する時など、インターネットが遮断されます。
連絡が取れなくなったら『あ〜〜あの辺(中東)にいるんだなぁ・・・』と暗い気持ちでした。


7)ディプロイメント中、スカイプは出来るのか?

それぞれです。
陸軍など、陸にディプロイされている場合(職種による)できる、という話も聞きましたが

海軍で出航中の場合、できません。

1〜2ヶ月に1回寄港するので
その際、インターネットカフェやネット付きのホテルに宿泊してくれて
スカイプができました。


8)ディプロイメント中、郵便は送れるのか?

送れます。

スクリーンショット 2016-01-17 13.49.36

例:
(Post officeのリンクより引用)
このように、ユニット・船・基地によって特定の住所が設けられています。
ただし、いつ届くのかは、不明。
数週間で届く時もあれば1ヶ月半ほどかかる時もありました。


9)ディプロイメントへの出発・帰宅日はわかるのか?

残念ながら、ハッキリとした日にちはわかりません。
大体の日にちは聞きますが、行くまで・帰ってくるまでわからないのが辛いところ。

海軍の場合、船に調子により出発日が遅れたりする事が過去にありました。
帰宅日も、ミッションが長引き、2ヶ月延びてしまった船もあったとか。

逆に、行く予定だった船が故障し、違う船が急遽借り出された、という事もあります。
これも運ですね・・・

ディプロイメントのスケジュールは超機密事項なので(OPSEC)
必ず、必ず!!!!!!外部には漏らさないでください。
漏れてしまって帰宅日が送れる、という事もあり得ます。


10)ディプロイメントからの一時帰宅はできるのか?

ユニットや職種などにもよるのでなんとも言えません。

海軍で船勤務の場合、ほぼできません。
奥さんが出産して我が子がうまれた場合も一時帰宅はできません。

私の知り合いで、旦那さんが出港2週間後に出産をし、
その方の旦那さんが初めて我が子を抱いた時には
もうハイハイをしていました。

近親の者がなくなった場合、一時帰宅が許されるらしいです。
祖父母の場合はほぼ不可能で、本当に血の濃い親族限って、です。


11)ディプロイメント中、こっちからどうやって連絡をとれば良いの?

海軍の出航中の場合
基本、手紙とメールが、こちらから一方的に連絡できる唯一の術です。
こちらから船に電話をかける事は無理です。

では、緊急時どうすれば良いのか?
いくつか方法がありますので

次回の記事にまとめます。


まとめ

ディプロイメントは、本当に孤独です。
それは当事者にとっても、待っているものにとってもです。
それを十分に理解し、支えることしかできません。

ディプロイメント、という言葉の意味・重さを理解する
第一歩の記事になれば幸いです。

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