出産・子育て

暗記力より知識の活用術が問われる時代こそ、幼児時代は遊びに費やすべし

こんにちは、JapaneryのYukaです。

どうみてもお受験向けなのかなと決めつけながらも
読んでみた本が、今年一番の育児書になるくらいの
良書だったのが意外でした。

学校教育がガラっと変わるから、
親が知るべき
今から始める
子どもの学び by 山口たく さんです。

なんかタイトルからして
お硬いイメージじゃないですか?

これからの時代を生きる子どもたちを育てる
今の親に求められること、親が考えるべきことなどが

とてもわかりやすく書いてあります。

特に、私は日本の教育を経て、アメリカで大学を出た身なので
欧米のスタイルと日本の一般的なスタイルの両方が
頭に浮かんできながら、読むことができました。

これからのAI時代、情報過多時代を生きる子どもたちの教育。

とても興味深い一冊でしたので、是非読んでみてください。


暗記力を問われる時代はオワッタ

794ウグイス平安京。
とまぁ、暗記に精を出した私の学生時代。

高校受験まではなんとか対応できたものの
大学受験は見事に暗記する気力をなくし(笑)

私は、AO入試のような制度のアメリカの大学に絞って
受験した、いわば日本の大学受験から全力で反対方向に逃げた人間です。

山口たくさんの著書の中でこんなことが書かれていました。

これまでは教わったことを『覚える』ことがメインの学びでしたが、これからは協働の学びを通して『活用できる形で理解し記憶する』形に変わっていきます。

・・・・・これまでの『細かな知識をもれなく暗記する」ことっから、完全に覚えてはいないけれど、調べれば思い出せるレベルの知識を増やすことが重要

学校教育がガラっと変わるから、
親が知るべき
今から始める
子どもの学び by 山口たく

はい、これかなりごもっともです。

AIが主流になるこれからのご時世。
なんでもググって情報散乱しているこの時代。

調べて思い出せるレベルの知識(そして正しい情報を自分でふるいにかけるわざ)を
いかに活用できるか。活用できてこその知識である。

これについて、分かりやすい例を書きます:

私は、アメリカの大学で初めの方に受けてF(落第点)をとったテストがまさにこれでした。

ケネディー元大統領が暗殺された年、暗殺した人の名前などはテストのために暗記。

よーし完璧!と思っていたら・・・


ケネディー元大統領は●年に●によって暗殺されました。
この時代の人々の暮らし、世論、を自分の言葉でまとめなさい。

はい、これがテスト問題でした。
(問題はうろ覚えですがこんな感じでした)

いや、知らんし。
暗記した私は、知識の応用・活用が全くできず
こんなスタイルのテストでいい点数取れるはずもなく
散っていったわけです。

暗記よりも、知識をいかに活用できるか。
そのためにはテクノロジーを有効活用できる人材であること。
テクノロジーと丁度良い距離を保てる事も重要になってきます。


正解が一つではなくなる時代がきた

今まではマークシート式や4択問題。
平安京は?→794年!

みたいな、答えの決まった、一つしか答えのないような
そんな問題が多かったシステムでした。

再び山口たくさんの著書から引用させてもらうと

これからは「正解が一つではない問い」に回答するための「知識の活用法」を身につけなければいけないので、「自ら学ぶ」姿勢を身につけてアウトプット型の学びをじっくり積む必要があります。

学校教育がガラっと変わるから、
親が知るべき
今から始める
子どもの学び by 山口たく

山口さんが著書の中で言っておられる「正解が一つではない問い」とは、「答えが一つに定まらない問い」の事。

例えば、先ほどのケネディー大統領の生きていた時代背景のことを語るのに
宗教や人種の話題を焦点に当てる人、
もしくは経済状況に焦点を当てる人、

宗教・人種・経済のことどれに焦点を当てても
当時の市民の暮らしや時代背景を語ることができます。

このように、暗殺された年は●年!という一つの答えしかなかった問いでなく
正解が一つとは限らない問題が問われるようになっている時代なのです。

このためには、討論が必須になる上に、
授業を受け身で聞くのではなく、

『この時代に自分が生きていたらどう感じるか』といった視点で
自らの学びに対して貪欲になる必要が出てくるのです。

子どもの自由を奪う大人たちに終止符を

近年、幼児教育に変な熱が入っていると感じざるを得ない『教育法』を
たくさん目にします。

フラッシュカードやなんでも早期から取り組めばいいという姿勢。

毎日習い事で、息つく間もない子どもたちが特集されていたりします。

幼児のうちは、5感を目一杯使って脳のシナプスを増やす時代です。

それをどうでしょう、暗記という作業で脳を使う時代になっているとは。

正直なところ、3歳でひらがなを覚えていなくても、
10歳15歳になってまでひらがながわからないという人はまずいません。

そんなことのために、3歳という時間を
暗記に費やして、本来の3歳児に合った時間の使い方をしないと
実体験の時間が減って勿体なさすぎます。

机の上で行う座学は、小学校入学と同時に高校・大学まで
12年・16年、永遠と続きます。
座学が多くなると、5感の刺激はどうしても少なくなりますよね。

なのでせめて幼児の間だけでも
5感を目一杯使った自由な環境で遊びながら
実体験という名の勉強をすることが許されないのか。

と悲しくなります。

幼少時代を思い出してください。
私が思い出すのは、近所の子たちと駆け引きをしながらやった
ケイドロや缶蹴りの時間。

雪がたくさん積もって見えない田んぼの溝に落ちないように作ったかまくら。

ただ遊んでいただけ、ではないんです。

必死で考えた缶蹴りの隠し場所。
制限時間ないに空き缶が隠れる場所を探す。
これって空間認識でもあるんですよね。

電柱のところにあった、見つけにくいすごく小さなボックスの中に
丁度、缶コーヒーサイズの缶なら入る場所がありました。
このサイズなら、あの場所に入るのかなという予想を立てて実行。
実際にピタっと缶コーヒーサイズの缶ならおさまり
相手チームが見つけられず悔しそうな顔をしていました。

ただただ雪で遊んでただけじゃないんですよね。
雪で隠れている田んぼの溝に落ちないようにするのは危険察知能力でもあります。
そして、かまくらを作るには、ちゃんと固まった土台となる雪が必要です。
そして穴を開けて人が中に入れるくらいにするには
意外と思っているよりも多い雪が必要になるのです。

柔らかすぎても穴は途中で崩れるし、硬すぎたら穴を掘るのに苦労します。

パウダースノーなんてかまくらには向いていないし
ベチャベチャすぎると、重くて雪をかき集めるのが本当に重労働になります。

雪の質と温度差、というものを、私は5感を使って理解したという
座学では到底学べなかった知識が記憶として残っているんです。

子どもが自由に遊べる時間。

今の時代かなり限られていますが、
親として、これを最大限与えてあげられるように
サポートし続けたいものです。

幼少期に親が子どものためにできること

山口たくさんの著書の中の一部を抜粋します。

「自主的な気づき」には子どもの自由な発想と感性が重要ですが、「そんなことは当たり前」という固定化した姿勢で学んでいくと、なかなかうまく育ちません。子どもの頃幼児教室などで知識ばかり丸暗記させてしまうと、こうしたッキケンが高まるので気をつけてください。

幼少期には知識を与える代わりに、自然の中などで豊かな体験をしたり、レゴやお絵かき、積み木や砂遊びなどの自由に作り出せる遊びをした方がいいでしょう。

学校教育がガラっと変わるから、
親が知るべき
今から始める
子どもの学び by 山口たく

幼児のドリル問題を見ていると
『春に関するものに丸をしましょう』という問いに
さくら、ランドセル、花見などのえが書かれていますよね。

春と言ったら桜に決まってるでしょ。

みたいな固定化された知識ではなく。

その問題を解くことに時間を費やすくらいなら
一緒に桜を見に行って、風が吹いて桜吹雪を見てワァ〜と感動する体験をさせてあげたり
春風の中、植物の香りに包まれ、木漏れ日の下にシートを敷いて
一緒にお弁当を食べる経験をする。

5感で溢れた体験を、丸暗記としてではなく、習得した体験から得た知識として
残してあげれる強み。

それが実体験の強さであり凄さです。


私が、かねてから早期英語教育に反対しているのはまさにこの理由。


ABCの歌が完璧に歌えたって、
How are you? What is your favorite color? What is your favorite food?の受け答えができたって、、、、だからと言って将来英語が得意になったりバイリンガルになるわけでもないんですよね。

ABCなんて、英語教育が学校で始まった時点でみんな覚えなきゃいけないし。


週に30分英語の詰め込み学習をして
将来のためになることって限られています。

暗記には限界があるんです。

これが、例えば私が留学生だった頃
『アパートの契約をしなくちゃ来週から住むところがない』という状況で
勉強したアパート契約に関する英会話であれば今でも身にしみて覚えています。

が、英語文法のクラスで覚えたあの下線部の引いてあったasが何詞的用法だったのか
なんてそんな重箱の隅をつついたような内容はさっぱり覚えていません。

幼少期に親が出来ることは

その子に必要・興味深そうなな実体験、実用的な体験をどんどんさせてあげる。

その子の興味にあったことを目一杯させてあげられる時間を確保することだと思います。

本当の意味での子どもにとって自由な遊びとは

「自由な遊び」の実例を書いていこうと思います。

息子が、裏庭(芝生が生えている)に穴を掘っていました。
本当なら『芝生に穴あけないで』と言いたいところ、
ちょっと我慢して見ていました。

小さい体で汗をかきながら
大きなスコップを体幹をうまく利用しながら使って
地面に穴を掘っていました。

30cm X 30cmくらいの穴がようやく掘れた時、
次は何するんだろう、と見守っていると

家の中のプラスチックのコップを探してその穴の中に水を運び始めました。

後々、なぜガラスではなくプラスチックのコップにしたのかを聞くと
『ガラスだと水はこんでる最中に滑って落として割るかもしれないから』という
彼なりの危険察知能力を働かせていた答えが返って来ました。

水がある程度溜まったら、おもちゃの魚を泳がせて満足そうに家の中に入って来ました。

そして水を運んでいるときに濡れてしまった室内の床を拭いていました。

少したって、外へ行くと、さっき一生懸命掘って入れた穴の水が空っぽに。

なぜだろうね?と一緒に考えてみると
『周りの芝生が飲んじゃったかな』と言って来ました。

彼なりに考えた答えでしょう。
的を得ていました。

さて、彼を止める瞬間はたくさんありました。

まず、芝生に穴をあけないで、と思ったこと(でも裏庭だからいいかと自分の中で解決)
そして、水をボタボタこぼしながら運ばれると床が濡れるので止めたかった(でも、あとで自分で拭いてもらえばいいかと)
室内の魚のおもちゃを泥水に入れて欲しくない(でも水がなくなったらどう反応するか見たいな)

グっと親としてのやめてほしい気持ちを抑えたことで
息子には学びの時間。
自由な学びの時間ができたのです。

もちろん、余裕のないときはできませんが
こういう自由な学びの瞬間を増やしてあげたいな、と
時間と気持ちに余裕がある時だけは思って過ごしています。

我が家は森のようちえんに入れています

Forest Schoolと呼ばれる
雨天関係なく外で遊ぶ幼稚園に子供たちを通わせています。

お勉強は大丈夫なのか。
キンダーに行ってついていけるのか。

たくさん聞かれます。

外で目一杯遊ぶことでつく筋力と体幹は、椅子に座って集中できる体幹作りでもある。
木に登って、自分より大きなスコップで穴を掘る。
そんなことで培われる握力は、筆圧やfine motor skillといったところに必要な力です。

水蒸気、水、氷を教科書の紙面で覚えるのではなく
5感を使った記憶として四季の天気を通じて学んで体に記憶している。

ただの遊び、お勉強してないと思われがちですが
幼児期の遊びは学びなのです。

その本来の幼児期の学びの場を紙面上に変えることで
偏ってしまっていることは事実です。

まとめ:育児に正解はない

色々かきましたが、育児に正解なんてありません。

あったら知りたいですが、これこそ子どもとの日々の生活の中で
すり合わせながら見出して行くしかないですね。

色々自分の意見も交えて書いていきましたが
これからの子育てにとても重要になってくることがたくさん書いてあったので
ぜひ読んで見てください。

学校教育がガラっと変わるから、
親が知るべき
今から始める
子どもの学び
by 山口たく

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