ミリタリー

一言いいたい:『安産』と言われることで生まれる誤解

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『安産』と『難産』という言葉が存在します。
ではこの2つのお産の違いの定義とは・・・?
自身の出産エピソードと共に、安産への誤解をといていきます。

大誤算・・・これで安産?お医者さんに安産と言われ、夫が安心して任せて来た!

第一子を出産!アメリカ軍の病院で出産エピソード


10分間隔の陣痛が始まってからは20時間程での出産でした。
初めての出産はアメリカ。しかもアメリカ軍の米軍基地病院で出産しました。

初産だからと10分感覚の陣痛が始まっていても
『病院が混んでるから来ないでくれ』と言われ続けました。

7分間隔になっても、5分間隔になっても

初産だし、時間かかるだろうし、病院混んでるからどうせ家に帰ってもらう事になる。ギリギリ・もうこれ以上耐えられない!って位まで来ないでくれ


というスタンスは変わらず。



『病院も来るな、と言うし、こんな痛みでは陣痛と言わないのか・・・』
と不安の波が押し寄せて涙がでてきました。


2~3分の陣痛間隔になって、
自力で歩けなくなるまで家に居続けました。


陣痛中ずっと爆睡していた夫をドロップキックで起こし
『もうこれは、明らかにおかしいでしょ!』と思い病院へ。


夫クンが寝ていたので何回も自分で電話をかけ
『初産だから時間がかかるし、その落ち着いた喋り方なら深刻ではない』と判断された様子。


当の本人(私)、冷や汗をかき、陣痛の度に床を叩き、
壁を殴り、這って家の中を移動。


『この痛みで、まだまだ?これがあと何時間続く?もう死んでしまう!』とさえ思いました。
子宮口は4センチから全開まで1時間程でした。

無事生まれる


いきんだのは30分程。
ここで、『安産だったんだね〜』と思いますよね。


だってお産にかかった時間、最後のもがき苦しむ程の痛みは数時間だったのですから。
子宮口が何時間たっても開かず、誘発剤や帝王切開を強いられるケースもありますよね。


私は子宮口がすぐに全開になりました。


全開から出産までは30分でした。


するとお医者さんが『It was such a quick and easy delivery! Well done!』と言うわけです。夫も誇らしげに私を褒めてくれました。


こうして、私は『安産』レッテルを貼られたわけです。
こんな壮絶すぎる出産でも安産やったら、難産なんてどんだけ大変なんやと思いました。

・・・・・・でもここからが悲劇の始まり。


安産であるがゆえの悲劇

お産のダメージ:出血は多かったようですが、傷は縫う程はつきませんでした。
『なんて素晴らしいお産だ!なんて安産なんだ!初産なのにすごく理想だった』
とお医者さん、ナースに褒めちぎられました。


・・・・・・しかし悲劇はここから始まりました。


多量の出血で貧血状態。
1時間で全開まで急に開いた子宮口。
それがまた、急激に縮もうとします。


これが後陣痛か。
すっかり『安産』に安心した夫は
『お腹すいた〜』といつものように、私に頼ってきます。


『疲れた〜』といって寝始めます。(ワタシが寝たい!!!!)

“安産”レッテルのせいで気を抜いた夫


そうです。『安産レッテル』のおかげで、
たった今、交通事故のような大量出血と全身打撲のような疲労で
やっとの思いで出産したばっかりなのに、『病人扱い』してもらえないのです。


出産直後、疲れて寝てしまった夫クンを横目に、
出産から30分で歩き回り、赤ちゃんのオムツを替えました。


出産から30分で泣き止まない我が子を立って抱っこしてあやしても、
『安産だったから動けるなんてすごいわね〜』と医療スタッフに褒められる始末。


ナースも医師も誰も、産後30分で歩き回る私を、止めてくれなかったのです。
(今思うと、初心者の夫はさておき、
プロの医療スタッフには、産後30分で動き回る私を止めて欲しかった!!!!!と強く思う)


“安産だったから”と助けを求める事、誰かに頼る事がいけないとさえ、
思ってしまっていました。

こうして始まった、トラブルまみれの第一子育児。

『安産』からの無理がたたり、
高熱・乳腺炎・腱鞘炎・腰痛・膀胱炎・腹部の痛み
これらが一気に押し寄せたのです。

辛かった。という言葉では表せないほど、悩ましい生活。


『安産だったから回復は早いはず』、とも言われていたので

案の定『安産で回復が早いはずだから文句は言ってはいけない』
と自分に言い聞かせていました。


でも心の中では、悲鳴をあげるほど、助けを求めていました。

一体・・・・安産ってなに?

やっと安産の誤解が解けた!第2子出産エピソード

第2子も予想通り、スーパースピード出産でした。


前回と違う所は、夫クンの理解が違った事。
何度も何度も話し合い、助産師さんとも沢山話し合いました。


この助産師さんは


『出産では交通事故と同じくらいの血液を失います。
それと同時に、母乳へと血液が奪われます。慢性的貧血状態が続きます。
無理は禁物。2週間はできる限り絶対安静。
トイレと授乳以外は動かなくても良い寝たきり生活をしてください。

産後一ヶ月まではなるべく歩き回らず、ソファーに座って生活してください。』


と産前から念を押されていました。


こうした明確なタイムラインを示してもらった事で夫クンの意識も
私の意識も変わりました。


私も、出産のプロである助産師さんから『休んで良いんだよ』と言われた事で、
罪悪感を持つことなく夫クンに頼る事ができました。

夫クンも『休ませてあげて』と明確なタイムラインや例を挙げてもらった事で
どうやって私を休ませて、助ければ良いのかが、わかったようでした。

早いスピード出産=安産ではない


第二子は、子宮口4センチから全開まで30分たらず。
10回程度のいきみで出産しました。


逆に早すぎる展開で自分の気持ちがついていきませんでした。
子宮口4センチから全開まで30分足らずだったので


器具の準備はおろか、助産師さんも到着していませんでした。
『助産師さんまだ来てない!器具がない!いきんじゃダメ!』と言われ
急な展開にパニックになり、看護師さんの腕を掴み白目に。
倒る寸前に、顔を手で鷲掴みにされビンタをされ、なんとか倒れずに出産ました。


私の中では、壮絶な出産でした。

でも、”スピード出産”だったので、産後直後にまた安産のレッテルを貼られないか・・・
とビクビクしていました。

第2子出産後、助産師さんの言葉で救われる

スーパースピード出産後、助産師さんの言葉に救われました。

『出産が早ければ安産だ・良い・健康だってものでもない。
普段しまっている子宮口が、30分たらずで一気に全開になる、という事は
無理矢理、自分の意思とは関係なく機械でこじ開けられるのと一緒。
相当な痛みと負担が短時間で一気にかかっています。
何が起こっているのか分からないような早さで出産するので、
母体の気持ちがついていくにも時間がかかりますので、

ご家族のサポートも必要です。
トイレ以外は立ち歩かないようにしてください。』


この助産師さんと、もっと早く出会いたかった。
私は、第一子の『安産』への長年の悶々としていた気持ちも
一緒に報われた、、、安堵でした。


出産にかかる時間が『簡単さ』を物語っているわけではありません。

安産への誤解

スピード出産は何がなんだかわからない早さで、
鈍器で急にドツかれたような痛みが襲い、
意識が遠のく中、気付いたら赤ちゃんが生まれています。


急激な痛みと、急な展開の早さに気持ちも身体もついていけなかったのです。
それを『安産』という一言で片付けられると、
『大丈夫なんだ』という誤解を、
本人にも・そして家族にも生んでしまう恐れがあります。


それが『無理をしてしまう』事につながる。
どんなお産であっても、母体はサポートを必要としています。

医学的には『安産』『難産』という言葉には
コレといった定義はありません。
あえて『難産』を定義づけるなら、
分娩の3要素、すなわち『産道』『赤ちゃん』『陣痛』の
3つのいずれかに問題が起きて
分娩進行が正常経過より著しく逸脱したお産
(助産院ばぶばぶさんのブログより)

そして、この助産院ばぶばぶさんのブログには助産師さん自らの出産体験をふまえ
お産ごとの『感じ方』を書かれています。

まとめ

出産には様々なエピソードや感じ方が存在します。
私の出産は、一般的には安産と言われるような出産かもしれません。


でも安易に安産というレッテルをはることで
生まれてしまう誤解も存在します。

どうかお産にかかった時間で判断したり、
『安産』だから『難産だから』という言葉だけで片付けるのではなく


それぞれの状態に合ったサポート体制を整えるという事に力を注ぎ
母親が、赤ちゃんが、家族みんなが健康で過ごせますように・・・。

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