教育

グローバル化と英語教育はこうすると失敗する。

こんにちは、Yukaです。

前回はバイリンガルに関する記事を書き、
帰国子女というキーワードを絡ませながら
半端な気持ちで”バイリンガル”を目指して英語を習わせるのは
時間の無駄ではないのか。という旨の記事を書きました。

この記事では、英語教育(習い事・教科としての両方)が失敗する理由。
つまり、英語にお金と時間を費やしても無駄になってしまうのはどうしてなのか。
について詳しく書いていきます。


英語を習う理由はグローバル化?

グローバル化で生き残るためには英語!と耳が痛くなるほど聞く
この『グローバル』というワード。

悲しいことに、英語を話す=グローバルだと勘違いしている人が多いのです。

国際社会において『英語を話す』だけで良いのであれば、
それこそ自動翻訳・通訳機械に任せればいいのです。

でも、グローバル化というのは、
英語という言語だけを追っていけばいい、というものではないのです。

この記事では『英語』を習う上で重要な『グローバル』という言葉もキーワードです。

グローバル化の前に人権問題をなんとかせよ

例を挙げます。
日本へ一時帰国中、いわゆるハーフと呼ばれる我が子を連れていると

指をさして、『ハーフやハーフ』と言ってくる人。
初対面の第一声で『この子ハーフか?』
『わ!ガイジンや』と指をさす人。

悲しいですが、老若男女問わずそんな人にまだまだ会います。

これは英語以前の問題で、
人権問題、人の尊重問題すらクリアできていないことが
おわかりでしょうか?

多民族国家には程遠い日本では、
まだまだザ・日本人以外の見た目であることで目立ってしまい
それに対して指をさされる、というグローバル化においてはまだまだ原始時代なのです。

『ハーフ』と言って指をさしてくる行為の何がいけないのか?
ーーー『チビやなぁ〜〜〜』と言って初対面の人に指をさしていいでしょうか?
ーーー『めっちゃ天パ(天然パーマ)やな〜生まれつきなん?』といきなりエレベーターの中で声をかけますか?

つまり、人が生まれつき持った見た目に対して
日本人であろうが、外国人であろうが、ハーフであろうが
指をさしたり、失礼に聞いてくるというのは、その人の人権を尊重していないのです。

一方でアメリカのような多民族国家では、
アジア系アメリカ人
アフリカ系アメリカ人
というように、たくさんの民族出身者が国を支えているので

街中を歩いていてアジア人を見つけても『うわ!アジア人だ!』なんて指をさす時代は
とっくのむかしに終わっています。

グローバル化を生き抜く上で、大切なのは
多様性・異文化・多民族・他国家への理解は大前提。

これにおいては言語以前の問題。

これをクリアせず、英語という言語だけを叩き入れるのは
非常にリスキーであり、もったいない。

英語教育の目的はどこにある?

私がこのブログを通して、口を酸っぱくしていい続けているのは
早期英語教育とその問題点です。

単に英語を週に1回、2回習わせて
“What is your favorite sport?” “How’s the weather today?” “How long have you been studying English?” に英語で答えられるようになれば
『バイリンガル』なのでしょうか?

では、英語という習い事(または教科)をする目的はなんでしょうか?

冒頭にも書いたように、『言語』のみの習得であれば機械に任せればいいです。

なぜなら英語を通じた体験活動もかなり重要な役割となってきます。

英語教育の失敗と、挽回方法

どの教科・経験にも言えることですが
頭でっかちでは意味がないということです。

当たり前ですが教科書の内容だけでは社会で通用しない、ということ。

いくらTOEICで満点を取っても、一言も英語で発言できない人だって
見たことがあります。

TOEICで◯◯点!!!!
5歳までに英検3級!!!!

という学習法は、グローバル化という観点から見るとズレています。

そこに社会性や他人を敬う人間性。
そして多民族・文化を受け入れる受容性。

鮮やかな人間性という軸の中の1本に言語力という力が備わって初めて
グローバル化の波に乗れるのです。

親が子供に求めるべきこと

最近読んでいる本で、教育とグローバル化というワードに切り込んだ
とても興味深い本があります。

もともとお受験塾講師をされていた著者なので
堅苦しそう、庶民の私には関係なさそうと思いながら読んだのですが
これからの社会を子どもたちがどう生きるか、という、親として考えさせられる内容でした。


その中でも一部抜粋して心に響いた箇所があったのでシェアさせていただきます。

大切なのは『どれだけ向上したか』ではなく、子ども自身が『どれだけ成功体験をできたのか』です。子供がその活動で成長することを自覚し自体的に取り組めるように導くことこそ親の役割

学校教育がガラっと変わるから親が知るべき今から始める子どもの学び


この記事では『英語教育』ということだけを考えてこの抜粋文章を処理します。

もちろん、英検で◯級取れた。模試で偏差値65以上取れた。
という、目標設定、それに向けての努力、ゴールの達成から学ぶことは多々あります。

ただ、紙の上での向上・成長体験だけでなく
駅で困っている外国人に声をかけて英語で道案内できた!!!
という生の成功体験ほど身につき、心に残る実体験ですよね。

私も、日本に住んでいた頃、TOEICや英検を受験していましたが
それは紙きれであって、試験や対策内容は全く覚えていません。


でも覚えているのは、ALTの先生を休み時間に探して英語を話しに行き
『昨日は言えなかったことが今日は言えた!』というよろこび。

駅で英語で道を聞かれて困っていた駅員さんに変わって
自分が英語で道案内をできた誇らしさ。

そう言った、実体験に基づく成功体験が、私の英語に対するモチベーションの根底にあります。

それは誰かにやれ、と言われたわけでも、
親に求められたわけでもない。

私が自発的に取り組んだ結果得た、成功体験というものが
一番自信となって心に残っています。


まとめ

十何年も前、高円宮さまがご健在のとき
スピーチをお聞きする機会がありました。

『真の国際人』というワードを繰り返し使っており、中学生の私は
『真の』『国際人』とはどんな人なのか。
と私なりの答えをずっと探していました。

日本へ帰省し、見た目が『ハーフ』であるだけで
他人から指を指されている我が子を目の当たりにし

これか!と改めて気づいたのです。

言語の能力だけ上げればいいのであれば、人工知能に任せましょう。

ですが鎖国時代がもうとっくに終わり、これからの人口減少で急速に移民が増えるであろう日本でそんなことは言ってられません。

真の国際人となりグローバル化の波に乗ることは
日本の存続において必要不可欠なのです。

そのことを踏まえた上での言語学習をする必要がある、と改めて感じでいます。

おうち英語教材