やり直しのきかない育児。
一番怖いのは『失敗』すること。
私は今、アメリカで3人の子育てをしています。
もともと英語を第2言語として習得することにかなりの興味があり
アメリカでTESOLの資格を持っています。
もちろん、子どもには英語・日本語の両方を使えるようになってほしい。
そんな思いで
就学前は徹底的に私は日本語、夫は英語と
家庭内で2言語を使いわけていました。
え、まさかバイリンガル育児失敗!?!?
あれだけ流暢に日本語を話していた第1子。
就学し、ピタリと日本語を話そうともしなくなくなりました。
と同時に、兄弟間の会話も完全に英語にシフト。
日本語で話しかけても英語で返答。
さらには日本語で話しかけると『英語で話して!!!!』と言うように。
就学する前の5、6年、かなり努力をして日本語を維持してきたつもりです。
ま、まさかの失敗!?!?!?
と相当落ち込みました。
バイリンガル育児に疲弊。もうやーめた!!
子どもが就学して、英語に算数、アートに音楽、英語での学校生活。
登校してから家に帰ってくるまでの全てを英語の環境で過ごしています。
新しい情報が次々と英語で入ってくる環境。
1+5=6
これをイチタス イチハ ロク。
ではなく
One plus five equals six。
と習う世界にいます。
『今日ね、算数の授業で1+5=6の足し算を習ったよ』と一言サラっと言いたい場面でも
『今日ね、Mathのclassでone plus five equals sixのadditionやったよ』と常にルー語。
それを私が
『そうか、Mathはね算数。算数のclass、classは授業。
算数の授業でaddition、additionは足し算、
今日は算数の授業で足し算をやったのか。plusはタス。equalsはワ!。イチタスゴハロク!楽しかった?』
と、ルー語を訂正させるべくイチイチ会話が途切れる。
そんな長女は日本語で話すことに疲れた、と言いました。
実は私も、疲れていました。笑
ルー語でも私は理解できるのですが
なんとか”正しい”日本語も維持してほしいと言う思いから
日本語で訳してあげる作業をしていました。
すると
いちいちブチブチと会話が途切れるのです。
会話のキャッチボールがいちいち中断される。
会話が途切れ、次の会話に進まず。
1つの事柄を話すのに2倍、3倍の時間がかかって
その間に次言いたかったことを忘れる。
とボロボロ泣きだす長女。
ついに言われてしまいました。
バイリンガル育児、一旦休憩する選択。
母ちゃん猛反省。
言語習得学問の立場から言うと、
親が使用言語をキッパリと使い分ける事は
必要不可欠です。
私はそのルールにのとって、日本語を徹底的に貫いてきました。
でも、子どもはもう、一日の半分を英語の環境で過ごし
日本語で習ったことのない内容を英語で習っています。
なのでもちろん頭の中で訳せない。
そこで起こるルー語現象。(英語と日本語が混ざる状況)
『今日はねMathのclassでadditionをやったよ!
RecessではBostonとスベリ台で遊んだの。そしたらRecess teacherがね・・・』
新しく入ってくる情報(日本語より英語の方が先に習った情報)は日本語ではなくルー語となって発話されます。
そして挙げ句の果てに
『ママは日本語で話してって言うけどさ、ママって英語話せるでしょ!?!?!?ダダと英語しか話さないじゃん!!!!!!!!!』
と言われる始末。(ダダは日本語話せない)
よし、わかった。もうルー語でいい。ママ、訂正するのをやめる。だって日本語をこれ以上拒否されたくないから。
最低条件の提示
長女だって、今はなれない完全英語の世界で
どんどんどんどん毎日新しい情報を英語で習得している。
普通に会話のキャッチボールも許されないなんて、そりゃー息苦しいですよね。
(ほんとごめんよ〜)
ここはひとまず、折れました。
だってこれからも長いお付き合いになる両言語。
日本語をこれ以上ここで拒否されても本末転倒。
でも私はそれと引き換えに最低限の条件を提示をしました。
私の両親は英語が話せないので、この提示にはすぐに応じた長女。
(じゃないと大好きなおじいちゃん・おばあちゃんとコミュニケーション取れなくなっちゃいます)
今現在行っているバイリンガル育児
今は全くルー語を訂正していません。
英語で話してくる時だって普通にありますが
『日本語話しなさい』とは言わなくなりました。
日本語で話しかけても英語での応答。
もう、それでいいと、今は思っています。
今現在行っている日本語での活動は主に4つ。
- おじいちゃんおばあちゃんとのスカイプでの会話
- 毎晩継続している日本語での読み聞かせ
- 見せるテレビはなるべく日本語
- 日本語で話しかける(たとえ返事が英語・ルー語でも気にしない)
これだけです。
日本語での読み書きは、今は停止中。
ひらがなやカタカナはほとんど忘れてしまった様子。
でも、今は、拒否反応をこれ以上増やさないためにやめています。
これは失敗ではない。ただの休憩。
自分に都合の良い解釈かもしれませんが、
私はこれを「失敗」だと捉えないようにしています。
(落ち込みましたけどね。笑)
もともとバイリンガル育児を開始した理由は
日本の家族との関わりを維持してほしい。
そのためにはある程度の日本語力と日本文化への理解が必要になる。
これが、根底にあります。
なのであれば、ここで日本・日本語嫌いになったら本末転倒。
長女が『無理強いされてる』と思わないくらいの日本語活動にとどめ
それ以外の日本語活動を一気にやめました。
失敗(日本語への完全なる拒否反応)しないために、休憩するのも必要です。
まとめ
我が家のリアルタイム・バイリンガル育児事情を語りましたが、いかがでしたか。
日々、英語有利の状況は変わりませんが
これからもゆる〜〜〜〜〜〜く日本語活動を地道に継続していくつもりです。
英語の環境に慣れて、子どもの気持ちにも余裕ができたかな?と思った頃に
日本語での読み書き、もう一回やってみる?
と提案してみる予定ですが。
子どもたちのペースに任せて、無理のない範囲であくまでもゆる〜〜〜く。
これで今はいいかな、と考えています。