留学・英語

アメリカ大学留学成功の秘訣:英語圏で生き延びるのに必要なのは英語力だけではない。

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18歳で日本を離れ、ほぼ勢いに任せてアメリカの大学へ進学しました。

よく質問されるのがこの質問。

英語圏の大学に進学するにはどれくらいの英語力が必要ですか?

ぶっちゃけこれに関してはかなり明確です。

各大学が設定するTOEFL等の点数は、必要最低限必要です。
この点数に程遠い場合は、まだまだ英語圏の大学ではやっていけません。
各大学が設けている英語関連のテストの点数に届けば、なんとか工夫してやっていける範囲に到達します。

これが最低限必要な英語力です。

この記事では

アメリカの大学で生き延びるために、英語力以外で必ず必要になってくる交渉力について実体験をもとに書いていきます。


交渉力こそが留学のカギを握る。言ったもん勝ち。

TOEFLの最低限の点数が取れて、晴れて英語圏の大学に入学。
さて、どうやったら卒業まで生き残れるのでしょうか?

ちなみに、私は一度も単位を落としたことがありません。

でもこれは、決して私の英語力が最初から十分だった訳ではなく、
特に留学1年目は『最低限』の英語力5割に対して、残りの5割を『交渉力』でカバーしていたのです。

留学に必要なのは「交渉力」と聞くとなんのこっちゃ?ですが、
いわゆる「言ったもん勝ち」の世界なのです。

ここからは実例で説明していきます。

実例1


教育学部向けの、算数を指導するための数学の授業を取りました。
するとマイルやインチ、フィートにオンスと、見たこともない単位が次々と文章題に出て来ます。 Metric Systemと呼ばれる、センチやメートル、リットルにグラムは基本的に使われていません。

これが本当に厄介。
テスト問題の計算とかは全然解けるのですが、最後に単位をつけるやり方がわからず。
(12インチだと1ftになるので、答えを書くときは15inではなく1ft 2inとする、みたいな)


テストの前に教授に事情を話し、特別措置で、アメリカの単位の換算表を持ち込んで良いということにしてくださいました。
(これに関しては、テスト内容の理解という以前に、
文化の違いなのでいいでしょう、とのこと。だってこんなの小学校でみんな習っている内容ですから。)

でもこれ、交渉していなければ減点対象で、成績にかなり影響していました。


実例2

外国語を1コマ取る必要があったので、フランス語の単位をとってみました。
フランス語って、「図書館」「冷蔵庫」と言った全てのものに性別があります。
(何じゃそりゃーですよね)

そして、もちろんHeやSheのように人間の性別によっても主語をかえます。

これが問題。

留学して間もなかった私は、EmilyやJohnといったメジャーな英語の名前なら性別の判断がついたのですが、マイナーな名前は性別の区別が不可能。

『そもそも名前を見ただけで性別が判断できない』レベルにいました。笑

これも、フランス語の教授に交渉。
こちらも文化的問題なので、テスト中に名前の性別を教えてくれる、
という措置を取ってくださいました。

こちらも、交渉していなければ減点対象でした。


実例3

アメリカの歴史(“日本史”のような部類です)という授業を取ったとき、
初めてのテストでF(落第点)を取りました。

原因は、アメリカの浅い歴史しか知らなかったことと
暗記問題ではなく、ほとんどが記述問題で、勉強不足だったということ。

学期の間に、何度もテストがあるので挽回のチャンスあり。
ですが、Fを取ってしまうと、挽回はなかなか厳しい。

そこで、教授に相談。

『お願いします!宿題でも課題でもなんでもこなすのでFの挽回チャンスをください』と。

すると、
『レポートを4回分提出すれば、今回のテスト限り、Fの挽回チャンスをあげます』

との回答が。ガッツポーズで4回分のレポートを提出し、その後のテストもうまく乗り越え

無事に”A”の成績で単位の取得ができたのでした。



実例4

かなり苦戦したのが心理学。
もともと複雑な学問であるゆえに、英語での言い回しも理解が難しいな・・・と思っていました。

これに関しては、最初から苦手意識が強く、普通にテストを受けるだけでは落第する・・・という直感があったのであらかじめ教授に嘆願。笑

『英語が第二言語なので、正直いって複雑な心理学の内容を理解するのがとても難しいと感じでいます。
かなり教科書を読み込んでいますが(読み込んだ証拠の教科書の一部を見せながら)テストも普通に受けても受かる自信がないです。
余分に課題(extra credit)をやって、理解度を確認していただきながら、ポイントを稼がせてもらえませんか?』

と教授の部屋に乗り込み(笑)交渉しました。

テストの点数だけなら”C”で単位をギリギリ取得できていましたが
余分に課題をやりまくったおかげで”B”にあげてもらいました。


交渉は卒業するのに不可欠


『余分に課題をする代わりに自分の弱点をカバー』したり
教科書の内容理解以前の『文化的違い』に気付いて、そこを交渉。

文化的違いに関しても、『換算表持ち込んでいいですか』と聞くだけでは理解してもらえません。『日本ではMetric Systemしか使っておらず、そしてまだ渡米して間もないのでアメリカの単位換算が本当に理解できません。』という背景を理解してもらった上で
『換算表の持ち込み』に成功しています。

英語力、文化的違い、という弱点を
交渉することでカバーする。

ではなぜ、交渉までして卒業まで漕ぎ着く必要があるのか????

その理由:留学生は、学生ビザで渡米しているため、
成績が悪いと、強制送還になります。

そして学部によっては、成績で学部に在籍できなくなるパターンも。
(私の大学の教育学部は, GPAが3.25以上なければ、教育学部に在籍できなくなります)

アメリカで教員免許をとりたくて留学したのに
中退なんて嫌ですし、そして何より教育学部に在籍できなくなれば本末転倒。

なので、卒業までなんとかして、
しがみつくしつこさも大事になってきます。笑


まとめ:足りない英語力を他でカバーすれば卒業できる。

最後に、もう一度よく聞かれる質問のおさらいです。

どれだけの英語力があれば、アメリカの大学に留学できますか?

アメリカの入学に必要最低限のTOEFL等の英語力があれば入学できます。

でも正直それだけでは、第二外国語としての英語力なので、英語圏ではただのハンデ。
特に留学1年目は文化的な面でもなれていないので、かなり苦戦します。

足りない英語力を、他のスキル(交渉力)でどこまでカバーできるか。

そこが、留学を成功できるかできないかの差なのです。

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