自分でつけておいてなんですが、恐ろしいタイトルをつけてしまいました。
日本では、市役所に行けば当たり前のように加入できる健康保険。
国民皆保険というなんともありがたい制度です。
市町村によって様々ですが、子どもの医療費が無料!?自己負担額を、地方自治体が助成して『肩代わり』することで、子ども医療の無料化が広まっています。
アメリカのおぞましい制度を知ってもらうべくこの記事を書いています。
渡米前に知らないと痛い目にあいます、、、断言します。
こんな方々に読んでほしい:
- これから留学・結婚・就職等で渡米の予定がある方
- アメリカの健康保険事情を知りたい方
- リタイアせず、ミリタリーからシビリアンに転向される家族の方で健康保険事情を知りたい方
『アメリカいいな〜子育てしやすそう♪』とよく囁かれていますが、
『一体どこが子育てしやすいねん!!!!』と鼻息荒くなるトピックの1つが健康保険。
日本とアメリカの健康保険事情の違い
大きなポイントを箇条書きで;
- 国民皆保険なのに対し、アメリカは一部を除き主に民間の健康保険で、加入条件が細かく設定されている
- 国の介入がある日本は、医療費も国の管理下。アメリカは製薬会社やそれぞれの医療機関にて支配されている (ゆえに、高額医療費が成立)
- 国民健康保険が効いた後の自己負担額が『数千円』となるような治療も、アメリカでは、保険が効いた後の自己負担で『数万円』なんてザラ
- 救急車の請求をもらった人、日本でいますか?アメリカは有料です。しかも何万、何十万単位
- 出産一時金なんて存在しないアメリカ
アメリカで健康保険に加入する方法
様々な加入ルートがありますが、最も一般的な『会社を通して入る』パターンを解説します。
A会社
社員の健康保険$300+家族$250= $550/月の保険料
B会社
社員の健康保険$500+家族$1000=$1500/月の保険料
これを見てわかるように、会社によって、個人負担額、家族の保険料をどれだけ負担してくれるかに大きな違いがあります。
会社によって、保険のプランも異なります。
そしてお気づきかもしれませんが、正規雇用でない多くの場合、会社を通して健康保険に入ることはできません。
民間健康保険プランの違い
国民皆保険の場合、カバーされる内容や自己負担額が年齢、自治体などによって異なるとはいえ、大幅には違いません。
ところが、民間となると大幅に違います。
アメリカ在住でご自身の民間保険プラン内容を見たことがない方、破産予備軍です。
必ず、必ず、必ず!!!!自分の加入している健康保険のカバー力を知っておいてください。
どれだけプランによって内容が違うかの例:
プランA
妊娠・出産のカバーあり
プランB
妊娠・出産のカバーなし
はい、ビビりますよね。少しでも保険料の負担を安く抑えるため、高額な妊娠・出産のカバーなしです。
プランC
言語聴覚士、理学療法士、栄養士などのセラピー・リハビリ系の受診を毎回カバー
プランD
リハビリ系・セラピー系の受診は10回まで。10回以降は完全自己負担
これは、万が一の事故や、子どもの成長に合わせて見えてきた問題等があった場合、自己負担がかなり増えます。
プランE
自己負担額が最大100万円超えると、それ以降は保険プランが100%カバー
プランF
自己負担最高額の設定なし
自己負担最高額の設定がないと、どうなると思いますか?
事故や病気で長期治療・入院を要する場合、どれだけ高額でも医療費を払い続けないといけません。
私は保険やさんではありませんので、例はこれくらいにしておきますが、これで民間健康保険プランがどれだけ違うかを感じてもらえたのでは。
Deductibleの罠
アメリカ在住者なら聞いたことあるDeductible。
Deductibleとは:
保険会社が支払いを始めてくれる前に、払わなければいけない完全自己負担額をさします。
解説:
Deductibleが年間$500だとします。
つまり、$500ドルをなんらかの医療機関を受診して支払った後に
保険のプランが介入してきます。
それまでは、いくら自分のプランが80%負担してくれる保険でも、80%負担は$500を支払うまで始まらない、ということです。
Deductibleの額に医療費が到達するまでは、あなたが医療費を100%負担しないといけません。
さて、ここで危険なのは、自分のDeductibleを知らない!っていう方、破産予備軍です。
Deductibleが$500、$1000っていうのは良い方のプランの話。
プランによっては、$6000、$12000がDeductibleなんてのも聞いたことあります。
$12000(120万円)がDeductibleの場合、
あなたが120万円の医療費を100%支払った後、保険会社が設定している割合を負担し始めてくれます。ということは、120万円払っても、そこからさらに2割負担で払う必要がある、ということ。
でもさー、120万円の自己負担なんて、なかなか起こらないのでは?
と思ったあなた、破産予備軍です。
私は、悪阻で救急へ行き、1泊入院をして点滴を受けました。
はい、これ、どれだけの請求が来たと思いますか?
請求の内訳
- 救急受診料
- 血液検査代
- 救急でかかった医師の受診料
- 点滴費用
- 心電図をとった費用
- 退院前に往診に来た産科医費用
- 食事代
- 部屋代・・・・
買いすぎた時の買い物並みに、請求の内訳の長いこと。
では、請求額いきます。
私の保険プランは80%支払ってくれます。
保険会社の8割負担後に『$2400(24万円)』の請求がきました。
もう一度整理します
- 悪阻で救急に行き、点滴・血液検査・心電図をとった
- 1泊入院した
- 保険会社が8割負担後
- 自己負担額が$2400
です。
おわかりでしょうか・・・????
これ、健康保険に未加入の場合や、Deductibleが120万である場合、120万円、完全自己負担です。
120万円なんて医療費、なかなかいかないっしょ、と思っている方、
誰にでもありそうな悪阻で、救急にかかり、1泊入院しただけで120万円の医療費がかかります。
出産にかかる費用ハンパない
出産一時金で42万円なんてもらえません。
子育てに優しそうな国だし、何かお得な助成金は????
ーーーーーないです。チーン。
悪阻の1泊入院で$2400(24万円)が出て行き、
その後の検診やエコーで毎回$300ほど出て行き。
そして肝心の出産。
出産費用、1泊の入院、食事・部屋代金など、諸々合わせて
約$4000(40万円)の自己負担額でした。
もう一度言います、$4000(40万円)の自己負担は、保険会社の8割負担が効いている値段です。
しかも、帝王切開や麻酔していません。
麻酔も点滴もない、NICUなどの費用もない、自然分娩の自己負担額です。
健康保険がなかったら、分娩・1泊入院で$20,000(200万円)の完全自己負担だったことになります。
コワスギマセンカ?
まとめ:アメリカで生き残るために、健康保険プランは必ずご確認を
少しでも多くの方に、アメリカの保険システムの怖さ、わかっていただけましたでしょうか。
プランによって、自己負担額やカバー内容が大幅に異なります。
上限があるものとないものでは大違いですし、Deductibleの額も重要になってきます。
アメリカで、医療費が支払えなくなって破産した例をたくさん聞きます。
私は医療費で破産したニュースを耳にするたび『貯金しないアメリカ人だからそんなこと起きるんでしょ』と思っていました。
そう、誰にでもありうる1泊入院で$2400(24万円)の請求が来るまでは・・・・
これから就職・転職される方。
これから留学される方。
これから渡米される方。
あなたの健康保険プラン、大丈夫ですか?