教育

[英語・英会話]を習いごとにする必要性と注意点

英語, 習い事,

みなさんはどんな習い事をしたことがありますか?

ちなみに2017年の『ケイコとマナブ』の調査では
1. スイミング (水泳)
2. 英語・英会話
3. ピアノ
4. 書道

だったそうです。

英語・英会話は本当に根強い人気で
早く始めれば尚よし、3歳までに英語を、という声も聞きます。


さて、子どもにどんな習い事させようか、と迷っておられる方。
私もそのひとりです。

ジャパンナリーでは日本からの読者も多く、
今日は習い事としての「英語・英会話」の必要性・注意点にフォーカスしていきます。

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近年、日本では小学校でも英語が取り入れられていますよね。
どんなに田舎でも「英語・英会話」が習える場所があるくらい
どこでも英会話教室を見かけます。


「英語」を習うベストなタイミングは?

一時帰国すると、よく聞かれるのが

「英語って早くから習わせたほうがいいの?」
「何歳くらいから英語始めたら間に合う?」
「もう今から始めるのは遅いかな?」

3歳までに始めたほうがいい
なるべく早く耳をならさないといけない
早くから習えば発音もよくなる

と様々な声が聞こえてくると正直焦りますよね。

じゃあいったい、いつ始めれば将来英語に苦労しないのか?

—-私は、中学生になってはじめて英語に触れました。
アルファベットをマスターしたのも中学に入ってから。
義務教育の英語教育を受け、受験のために塾に通い
公立高校で英語を学んだのち、アメリカの大学へ進学・卒業しました。

なので個人的には近年の早期英語教育の重要性・必要性はない、と思っています。


ただ習えば完璧にできるようになるってもんじゃない

英語に限らずどの習い事にも言えることですが
ただ習えば完璧にできるようになるっていうことではないですよね。

少し英語から話は逸れますが・・・

「ピアノを8年習った」のにもかかわらず「楽譜が読めない」。

それは私のことです。
私は12歳までの8年間ピアノを習いました。
お恥ずかしながら今でも楽譜はほぼ読めません。笑
ドレミファソ・・・の認識くらいはできますが
それ以外はわかりません。
楽譜を読んでピアノを弾くという作業ができず
耳で聞いて、あてずっぽうに弾くことしかできません。
実は習っていた頃から楽譜はほぼ読めず、先生が弾くお手本を耳で聞いて
なんとなくの感じで弾いていました。

(「あてずっぽうやめる!」とよくノートに書かれたのを覚えています)

じゃあ「8年間習ったピアノ」のお月謝は無駄だったのか?

そんなことありません。

練習するという忍耐
練習すれば一曲奏でることができる達成感と自信
小学校卒業まで続けたという継続
緊張
を乗り越えやりとげた発表会
楽譜が読めなくても弾けるようになる工夫

8年ピアノを習った結果、ピアニストでもないし音楽評論家でもありません。
ピアノで食べていけるわけでもありません。楽譜も読めません。
ですが習い事から得ることはちゃんとありました。


英語を習い事とする上で、何を求めているかが重要

英語の話に戻ります。始めの方に書いたよく聞かれるこの質問

「やっぱり英語って早くから習わせたほうがいいの?」
「何歳くらいから英語始めたら間に合う?」
「もう今から始めるのは遅いかな?」

英語を習わせたい、と思う上で、どのような結果を求めていますか?

もし、英語を3歳から週に1回30分習わせたことで
センター試験のリスニングで満点が取れるようになる、と期待しているならそれはとんでもない間違いです。
もし、英会話を0歳から習ったことで、将来アメリカ留学できると期待しているならそれも違います。
もし英語を10歳になっても習っていないから、うちの子は将来苦労する、と思っているならそれも違います。

子どもの頃の習い事が職業になっている人はどれだけいますか???
私、ピアノ8年間習ったけれど楽譜読めませんしピアニストにもなっていません。
でも私、英語の習い事したことないけど、アメリカの大学に自力で入学して卒業しました。
英語の翻訳や講師としてお金をいただくこともあります。

 

英語を習わせることで将来像を期待するのではなく、
どんな芽が生えるかわからないけれど、タネをまいておこう♪という気持ちで
始める習い事ならいいと思います。

私は習っていたピアノとは直接関係ないですが
達成感や忍耐、工夫の仕方などをピアノという習い事を通して学びました。
人前で恥ずかしいけれどピアノを演奏した経験が少なからず、英語を人前で話すというところにも繋がっていると思います。


早期英語教育は必要?グローバル化が進む社会の中で英語ができないと取り残される?

私は早期英語教育はしなくていいと思っています。

英語という言語ツールは確かにできれば強いです。
ニュースの先取りもできるし、映画も字幕なしで見れる。
研究者であれば論文の翻訳を待たずに読めるし、
通訳を介さず商談を進められます。

でもそれ以前に重要なことが置き去りにされているような気がします。

学者などを除いて『日本語ができる』だけで仕事に就ける人はどれだけいますか?

日本で働くにおいて、「日本語」は言わなくてもできて当たりまえですよね。
日本語ができる、という最低条件に、
「教員免許」「営業ができる」「レジ打ちができる」「法律を知っている」などという
スキルが加わり、仕事につきますよね。

「英語」はただのツールに過ぎない。
「英語で何かができる」というプラスアルファがあって初めて役に立ちます。

早く始めたところでみんなピアニストやサッカー選手になれないのと同じで
英語も別にそこまで早いうちから躍起になって始めなくても
グローバル社会の中で生きていけないわけではないのです。


まとめ

習い事、私は好きでした。
振り返ると、習っていた「ピアノ」というよりは
むしろ習い事から得られた他のスキル「忍耐」「継続」「達成感」「自信」の方が
人生の糧となり今でも役立っています。
習い事が大人になってそのまま職業になる、というパターンは少数派です。

この部分を念頭に置きながら
自分の子どもにあった、子どもがやりたいと言った習い事を吟味していこうと思います。

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