ヘルメット

アメリカでヘルメット治療 1(Cranial Remodeling)開始までの道のり

ヘルメット治療, 開始, 治療開始, ヘルメット, アメリカ

この記事は日本でもじわじわと知られつつある
赤ちゃんのヘルメット治療シリーズ第一弾です。

ヘルメット治療とはなんなのか
なぜヘルメット治療が必要なのか
ヘルメット治療は保険でカバーされるのか
気になったらどこから始めればいいのか・・・

アメリカでヘルメット治療を開始するまでの道のりをまとめます。
(注意:医療従事者ではないので、参考までに。きちんと医師の指示に従ってください)

Cranial Remodeling: ヘルメット治療とは?

ヘルメット治療を英語でCranial Remodelingと言います
このようなヘルメット姿の赤ちゃんを見たことありませんか?

ヘルメット治療, アメリカ, 赤ちゃん


理由は様々ですが医療的に必要となりヘルメット治療が開始されるケースが多数です。

主に3つの理由があると主治医から説明を受けました。

以下の写真を見ていただくとわかりやすいと思います。
左:通常
左から2番目:斜頭症
右から2番目: 短頭症
右:長頭症

86

1. Plagiocephaly (斜頭症: しゃとうしょう)
片方の後頭部が絶壁のようになっていたりと、
上から見るとひし形のような形の頭になってしまっている状態。

2. Brachycephaly (短頭症: たんとうしょう)
後頭部が俗にいう絶壁になっている状態。

3. Dolichocephaly (長頭症: ちょうとうしょう)
長く伸びたような狭まったような頭の形の状態

様々な頭の形を正常範囲に誘導する、それがヘルメット治療です。

なぜヘルメット治療が必要なのか?

日本では保険適応外でまだまだ知られていませんが
アメリカでは保険治療も可能な症状です。

胎児の時からの問題であったり、
産道を通るときの負荷・寝る向きの癖であったり
理由はたくさんあります。

でもなぜ治療が必要なのでしょうか?
治療が必要な理由も様々です。

私が医師からの説明*を受けたのは以下です。(*斜頭症ケースです)
(あくまでも可能性の話であって全ての方に該当することではありません。
各自で受診し医師の意見を聞いてくださいね)


– 耳の位置が左右で変わってしまう可能性
– 目の大きさ・位置が変わってしまう可能性
– 発達遅延の可能性
– 慢性的な頭痛や腰痛、脊椎の圧迫・曲がるなどなどの可能性
– 歯並びに変化が出てしまう可能性
– 運動能力遅延の可能性

実は見た目に残る頭の形だけでなく、
その他の慢性的・長期的に残ってしまう可能性のある症状もあることを知り、
とてもショックでした。

ヘルメット治療は保険でカバーされるのか?

アメリカでは皆保険ではありませんので
各自保険会社に問い合わせるのがベストです。
ここでは我が家の場合はこうでした、という体験談を書きます。

結果的に我が家はカバーされました。
カバーされて$400。
カバーされないと$2000という説明でした。

ただ、カバーされるにはいくつかの条件に合うことが必要でした。

以下、我が家の入っている保険プランのヘルメット治療開始条件をまとめます。

1. 主治医からの紹介状で専門機関を受診して診断を受けていること
2. 専門機関からの診断時に出た”Treatment plan(治療プラン)”を二ヶ月間継続させること
3. 治療を二ヶ月継続させて効果が出ない、期待以上の効果が出なかった場合(正常範囲外)ヘルメット治療を開始できる可能性がある。
4. 決められた計測方法で”異常値”が出ていること。

これらの条件を全て満たし、ヘルメットを作ってくれる機関を受診、
スキャン、2週間ほど待ってヘルメットを受け取る、という過程でした。

気になったら一体どこから始めればいいのか・・・

私は以下の方法をとりました。
時系列を交えてヘルメット治療開始までの道のりを書きとめます。


[生後1ヶ月検診]
子どものかかりつけ医(Primary Care Doctor)に相談。
Positional Plagiocephalyであると思うといわれる。 (位置的要因からくる斜頭症)
一ヶ月間、寝る向きのクセを気にして直して、
2ヶ月検診で改善が見られなければ専門機関へ紹介状を書くとのこと。

[生後2ヶ月検診]
一ヶ月間寝る向きを直したり、同じ姿勢にならないように気をつけたが
一向に斜頭症の見本図!のような頭の形は治らず。
かかりつけ医に専門機関へ紹介状を書いてもらう。
紹介された先はChildren’s Hospitalの Craniofacialというセンターでした。
初診は時間がかかり、受診できたのは1ヶ月後。

[生後3ヶ月]
Children’s HospitalのCraniofacialへ行き専門医を受診。
キッパリとPositional Plagiocephalyですと言われる。
首も座って自分でお座りができるようになる5ヶ月ごろまで
自力でなんとか正常値に戻せるところまで戻してそれ以降にヘルメット治療を開始させましょうといわれる。

治療プランは以下でした。
1. 後頭部に負荷をかける行為を極力避けて行動する
(なるべく抱っこ紐で過ごす時間を作って頭への負担を避けるなど)
2. 寝る向きを直す

『生後五ヶ月までに思ったような改善が見られない場合は
ヘルメットを作る機関に紹介状を書くので、その時点でヘルメット治療を開始してください。
ヘルメットを作るのに大体1ヶ月はかかりますので生後半年くらいで治療が始められるように生後五ヶ月でヘルメットの機関を受診してください』といわれました。

[生後5ヶ月]
首もすわり、Tummy timeも増え、改善は見られたものの
まだ気になるな・・・と思っていたので紹介状を書いていただき
ヘルメットを作っている機関(Prosthetics / Orthotics)を受診。

[ヘルメット受診1回目]
1時間ほどの受診。
ヘルメット治療の話を聞く。
頭の対角線の長さを計測。
計測結果が異常範囲だったのでそのデータを保険会社へ送付するとのこと。
他にも保険会社に提出する必要な話を聞く。

[ヘルメット受診2回目]
頭の形をスキャンする日。
薄いニットのようなものをかぶり、上にセンサーのようなものをつける。
機械でスキャンしていく。

Screen Shot 2018-01-01 at 22.08.01

スキャンデータを取ってからヘルメット装着開始までは
2週間以内でないといけないと言われる。
(旅行や抜けられない仕事の予定がある方はご注意ください)

[ヘルメット受診3回目: ヘルメット治療開始]
ヘルメットを受け取る日。
ヘルメット慣らし期間は1週間。
1週間後には23時間装着、1時間はずすスケジュールになるという説明を受ける。

まとめ

シリーズ第一弾ではヘルメット治療開始までのざっくりとした道のりをまとめてみました。
まだまだ知られていないヘルメット治療ですが
もっと知ってほしい!という思いで発信しています。

おうち英語教材